島原高等学校平和宣言
皆さんの生活は平和ですか?私たち島高生は、毎日学校に通って勉強し、部活動に取り組んでいますが、その生活は平和そのものといえるかもしれません。しかし世界各地では今なお紛争が収まらず、毎日のようにどこかで平和や人権が脅かされているのが現状です。
日本も例外ではありません。最近では、国際的には尖閣諸島や竹島などをめぐる近隣諸国との外交問題があり、国内では、原子力発電所を再稼働するかどうかをめぐって、国民の生活と安全に関わる問題があります。ただこれらの問題が、私達の日常生活に今すぐ影響することは少ないかもしれません。表面上は何事もなく、私達島高生は毎日当たり前のように学校へ行き、当たり前のように家へ帰っていきます。
しかし、戦争はそのような「当たり前に過ごせる」幸せを奪ってしまいます。第二次世界大戦中の日本では、私たちと同じくらいの年の人が働かされ、戦地へ赴き、多くの命が奪われました。また、罪のない市民も、原爆や空襲、戦闘に巻き込まれ、たくさんの人が亡くなりました。戦争は人々から掛け替えのない命や大切なものを奪い、そこからは悲しみや憎しみしか生まれません。「戦争はしてはならない」と分かっていても、世の中が戦争を肯定するような雰囲気になってしまったら、異なる主張は制限されてしまう可能性があります。
今年、イスラム武装勢力の残虐行為を非難し、男女平等の教育の必要性を訴えたパキスタン人の少女が、下校途中に銃撃されるという事件が起こりました。その少女は数度の手術を受けて回復し、7月には国連で、「すべての子供が教育を受けられるようにするべきだ。銃弾で人を黙らせることはできない」と演説を行いました。私たちにはその少女のように「間違っていることは間違っている」と発言できるような勇気はあるでしょうか。どのような世の中でも「戦争をしてはいけない」という自分の意志をしっかり持たなければいけないと思います。平和な世の中を作るために私たち高校生にできることは、世の中で起こっていることに目を向け、学ぶ姿勢を持ち、そのことに対して自分の意見をしっかり持つことだと思います。
平和のために一人ひとりができることは小さいかもしれませんが、みんなで協力すれば大きな力になると思います。長崎に原爆が投下されてから68回目の8月9日にあたり、改めて平和の大切さをかみしめ、戦争のない世界を作るために自分たちができることを考えていきましょう。
私たちはここに、平和の大切さを忘れることなく、世の中で起こっていることにまっすぐに目を向け、多くのことを知り、自分の頭で考え、戦争を始めとする悲惨な出来事が起こらない世の中を実現するために、できることから行動していくことを誓います。